酒井 弘一
お盆が明け、鈴虫がようやくまともに鳴き出しました。今年は異常気象のせいもあって例年より孵化が遅く、鳴き始めも遅くなっていました。それがようやく鈴虫らしい声になって来たものです。
この間、5月に孵化し始め、その後少し大きくなってからは数人のお得意様へ届けてきました。鈴虫を飼い始めてかれこれ30年。途中、「自家中毒」で全滅してしまい、あわてて鈴虫を飼っている方から分けてもらいました。その後数が増えて今に至っています。

動物では、かつて犬を一度飼っていました。しかし、フィラリアにやられて10年余で死なせ、それ以後犬は飼いません。金魚も育てたけれど、一定の大きさまでは育っても、それ以上は育たず突然死んでしまうことを繰り返し、金魚もやめに。今は、メダカ2匹と鈴虫だけになってしまいました。ただ、家の外には足長蜂が2つ巣をつくっています。
さて、鈴虫です。虫売りが現れ、飼育が広がったのは江戸時代です。その頃、鈴虫は「松虫」と呼ばれていたようです。逆にこおろぎが「鈴虫」だったそうで(記憶違いがあるかもしれません)、時が変われば鈴虫は次に何と呼ばれるのでしょうか。
世間には花を冠したお寺が数々あります。あじさい寺、ボタンの寺、コスモス寺など。一方、京都市内嵐山に「鈴虫寺」と呼ばれるお寺があるそうです。妙徳山華厳寺です。

お盆が過ぎて、家では鈴虫の声。外では「カンタン」の声が聞こえ出しています。もうすぐこおろぎやカネタタキ、松虫やウマオイ、クツワムシの秋がやってきます。しかし、現在はまだまだ蒸し暑い夏。みなさんも暑い夜、ビールやクーラーばかりでなく、鈴虫の声を聞いて少し涼しげな気分を味わってはいかがでしょうか。
鈴虫の声は8月から10月半ばまで続きます。
Comments